現代社会において、周囲からの騒音や、楽器練習で自分が出す音は、周囲の住人との軋轢を生む可能性があります。

その悩みを少しでも解決できるのが、防音ウレタンです。しかし、防音ウレタンにどれくらいの効果があるか分からない人も多いです。

この記事では、防音ウレタンの効果や使用用途などを、分かりやすく解説します。

防音ウレタンとは？

防音ウレタンとは、音を吸収して、室内の反響音を抑える効果があるスポンジです。

防音ウレタンには、ウレタンの中でも柔らかいものが使われることが多く、密度が低く気泡に空気を多く含んでいます。

スポンジの気泡に音が吸い込まれ、反響することなく音波を消すため、消音効果が生まれます。

「防音」という言葉には多くの意味がありますが、ウレタンの場合は「吸音材」として機能します。音を遮る「遮音」ではなく、「吸音」だと理解しておきましょう。

防音ウレタンの効果

防音ウレタンにはさまざまな種類があり、スポンジホームセンターではカームフレックスU00F2というウレタンを使用しています。

U00F2は軽量低価格で、吸音性能が高い特徴を持っています。

U00F2は幅広い周波数帯域で音を吸収しますが、特に話し声やスマートフォンの着信音など、生活音に高い効果を発揮します。

上記は防音ウレタンU00F2の、吸音率のグラフです。1000～4000Hzの音に対しての吸音率が高いことが分かります。周波数ごとの音の高さは、以下の通りです。

• 1000Hz：弾性の話し声、ピアノの中音域
• 2000Hz：女性のソプラノ歌手、警報音
• 3000Hz：赤ちゃんの泣き声

上記の数値から分かるように、U00F2は日常生活で使われる高さの音を効率的に吸収します。

防音ウレタンには、低周波や中周波に強い素材もあるため、使用用途に合わせて選ぶことが大切です。

以下の動画で、実際に吸音性能を確認できます。

防音ウレタンの使用場所

防音ウレタンは、高い吸音性と加工のしやすさから、さまざまな場所で使用されています。

防音ウレタンが使用される場所と、期待される効果を表にまとめました。

音楽スタジオ

楽器やボーカルのクリアな録音をサポート。部屋の反響を抑え、音漏れを軽減 。

ホームシアター

映画館のような臨場感を実現。外部騒音の遮断と音響効果の向上 。

配信ルーム、ゲーム部屋

周囲の雑音を軽減し、クリアな音声を実現。視聴者への高品質な配信 。

リビング、寝室

生活音（話し声、テレビ音）の反響軽減。静かで落ち着いた空間作り 。

壁・間仕切りのDIY防音

室内の反響音軽減。賃貸物件でも壁を傷つけずに設置可能 。

建物（壁、天井、床下）

階下への音を防ぐ。ビルやホテルの騒音対策 。

自動車（エンジンルーム、デッドニング）

エンジン音やロードノイズの低減。車内の静粛性向上 。

船舶、電車車両内部

内部機器の騒音低減 。オーディオ機器の内部

オーディオ機器の内部

機器内部の反響音を抑え、音質を向上 。

スタジオ、音楽室（プロ用途）

プロフェッショナルな音響環境の構築。中音域から高音域の吸音に優れる 。

インドアゴルフ用跳ね返り防止材

ボールの衝撃音や反響音の軽減 。

防音ウレタンは、加工が簡単なことから、上記のようにさまざまな場所で使用されます。

DIYで加工する場合は、カッターでカット可能です。

防音ウレタンを壁に貼る際は、両面テープやマジックテープを使用します。賃貸の場合は、壁に跡の残らないテープを使用するといいでしょう。

防音ウレタンを使用する際の注意点

防音ウレタンは、完全に音を無くすことはできず、耐久性も高くありません。

ここでは、防音ウレタンを使用する際の注意点を解説します。

完全に音を無くすことはできない

防音ウレタンは音を吸収して反響を抑えることを得意としています。音を遮断して、室内外からの音漏れをゼロにはできません。

反響を抑えるだけでなく、音を遮音したいのであれば、防音ウレタン＋遮音材の２層品になっているものがおすすめです。

防音室のように音を完全に遮断したいのであれば、DIYではなく専門業者による防音工事が必要です。

耐久性は高くない

防音ウレタンの平均寿命は、一般的に3～5年ほどです。湿度の高い環境や直射日光が当たる環境では、劣化が早まるため注意が必要です。

ウレタンの劣化は、ひび割れや素材の硬化・反発力の低減などが目安となります。これらの症状があらわれたら、吸音性能が低下している可能性があります。

防音ウレタンはホームセンターで購入できる？

防音ウレタンは、ホームセンターで購入可能です。ただ、バリエーションは少なめなので注意しましょう。

ホームセンターの防音ウレタンは、25cm角の平らな形状が多いです。より吸音効果を高めたい場合は、表面が波状（プロファイル加工）になっているものがおすすめです。

表面を波状にすることにより、音が当たる面積が増えて、吸音効果が高くなります。

小型のホームセンターでは、波状の防音ウレタンを販売していないことが多いため、インターネットで探すといいでしょう。

おすすめの防音ウレタン

防音ウレタンには、吸音+遮音スポンジの2層品や、吸音スポンジのみなどバリエーションがあります。

ここでは、おすすめの防音ウレタンを紹介します。

吸音+遮音スポンジ（U00F2+ポリエチレンフォーム）

プロファイルの吸音ウレタン+遮音スポンジの2層品は、防音の効果が高く、しっかりとした効果を実感したい人におすすめです。

吸音ウレタンが音の反響を抑制して、密度の高い遮音スポンジが内外からの音を遮断します。完全に音を防げるわけではありませんが、高い防音効果があります。

吸音スポンジ（U00F2+ポリエチレンフォーム）

簡易的に防音効果を高めたい人には、吸音スポンジの1層品がおすすめです。

吸音専用のスポンジが使用されていて、防音効果が高くなっています。また、2層品と比べて軽量なので、壁への取り付けが簡単です。

まとめ

防音ウレタンとは、音を吸収して反響を抑える効果のあるスポンジです。

防音ウレタンは、家庭用では音楽室やホームシアター、業務用では船舶や自動車などで使用されています。

防音ウレタンは吸音性能に優れていますが、完全に音をなくすことはできません。また、耐久性は高くないため、永続的に使えるものではありません。特に湿気や直射日光に弱いので注意してください。

スポンジホームセンターでは、防音効果の高いプロファイル加工されたウレタンを販売しています。ご指定のサイズでの製作もできるため、お気軽にお問い合わせください。